羊文学 – 繊細と激情が交差する魅惑のオルタナティヴバンド
2020年8月、独自の世界観と表現力で音楽シーンに新たな風を巻き起こしているバンド「羊文学(ひつじぶんがく)」がメジャーデビューを果たしました。綺麗な歌声と没入感のある演奏、繊細さと嵐のような激情を併せ持つこの3ピースバンドは、多くの音楽ファンの心を鷲掴みにしています。本記事では、羊文学の魅力を初心者の方にもわかりやすく紹介していきます。
バンドの結成と歩み
羊文学は2012年に結成された3ピースのオルタナティヴロックバンドです。卓越した表現力と確実な演奏力を武器に、数多くのフェスやライブに出演して着実に知名度を高めてきました。2017年に現在の編成となり、初の全国流通CD『トンネルを抜けたら』をリリース。また、全国的ヒットを記録した限定生産シングル「1999 / 人間だった」をリリースした。2020年8月19日には「Suchmos」が設立したレーベル「F.C.L.S」から「砂漠のきみへ / Girls」を配信リリースし、メジャーデビューを果たしました。
メンバー紹介
塩塚モエカさん(Vo.Gt.)
ボーカル兼ギタリスト。羊文学の全ての楽曲の作詞作曲を担当しています。エンジェリックな歌声で若者が抱くメランコリーな感情を鮮烈に歌い上げる表現力が魅力です。メインギターはFenderのAmerican Vintage Jaguarを使用しています。
河西ゆりかさん(Ba.)
ベーシスト。Twitterでのメンバー公募により、2017年に羊文学に加入しました。卓越した演奏技術が生み出す滑らかなベースラインと、ヴェールをかけるようなコーラスが楽曲に深みを与えています。
フクダヒロアさん(Dr.)
ドラマー。2015年11月に羊文学に加入しました。元々は3ピースバンド「リーガルリリー」のサポートドラムとして活動していました。確かなリズム感と繊細な表現力が魅力的です。
バンド名の由来
バンド名「羊文学」は、塩塚さんが「英語でも日本語でも”羊”っていう言葉が入ってたらカッコいいような気がする!」という発言や、アイスランドのバンド「シガー・ロス」に着想を得た「文学的世界観」への憧れから生まれたようです。
羊文学の音楽性と魅力
羊文学の魅力は、深い歌詞や歌声と演奏の奥行きにあります。ボーカルの塩塚さんは「繊細」な歌声で若者が胸の内に燻らせる「激情」を歌い上げます。また、「神秘」的で重厚な演奏に乗せて歌われる歌詞は、青春時代やモラトリアム期の葛藤など、極めて「日常」的な内容が多いのも特徴です。
ざらついたシューゲイザーサウンドと共に描かれる神秘的で儚い世界は、私たちが経験した学校の屋上での思い出や、恋に悩んだ放課後、新しい道に進もうとした冬の終わりなど、青春の情景を鮮やかに描き出します。
歌詞に込められたメッセージ
羊文学の歌詞には、若者の内面を深く掘り下げながらも、希望を見出す前向きなメッセージが込められています。
代表曲「more than words」では、自分自身を愛することの大切さや、失敗や絶望に直面しても自分自身を信じる事の大切さを表現しているように感じます。この曲は聴く人に勇気と希望を与えるポジティブなメッセージで満ちています。
また、TVアニメ「平家物語」のOPテーマとなった「光るとき」では、「永遠なんてないとしたら この最悪な時代もきっと続かないでしょう」という歌詞で、一見ネガティブに思える状況を前向きに捉え直す視点を表現しています。困難な状況も永遠ではないという希望のメッセージが込められています。このような部分で、ポジティブなメッセージが込められています。
代表曲・人気曲紹介
「砂漠のきみへ」
2020年8月19日にデジタルリリースされたメジャーデビューシングル。優しく滑らかなベースライン、心地よいドラム、魅力的なギターの音色が特徴的で初々しさが残る、お勧めしたい楽曲です。
この曲では「生きるための重み」を抱えた人たちへ、自由へ向かうためのメッセージが込められています。
「more than words」
自分の本音を言えないでいることや、失敗を避けようとする姿勢、そして自分自身を信じたいという思いが描かれています。
タイトルの「more than words」(言葉以上のもの)には、歌手が聴く人に対して言葉以上の、勇気や希望を与えるポジティブなメッセージで満ちています。
TVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」エンディングテーマとなっていて、『呪術廻戦』の虎杖 悠仁が抱く様々な葛藤や感情に深く響く曲に仕上がっています。
「光るとき」
TVアニメ「平家物語」のオープニングテーマに起用された曲。「永遠なんてないとしたら この最悪な時代もきっと続かないでしょう」という歌詞が印象的で、困難な時期も必ず終わるという希望のメッセージを伝えています。
「Flower」
異色感が漂うラブソングに感じられる曲で、「モニターに映る肌」「温度を無くした世界に生きる」という独特の歌詞表現が特徴です。時の流れと共に移りゆく生活の情景が浮かんでくる曲です。
まとめ:羊文学が愛される理由
羊文学の音楽が多くの人々に支持される理由は、繊細なサウンドと内省的な歌詞が現代を生きる若者の心に強く響くからだと考えられます。不安や葛藤を抱えながらも前向きに生きようとするメッセージは、多くのリスナーに勇気と希望を与えています。
メンバー全員は若いながら、その表現力と演奏力は既に高い評価を得ており、これからの活躍にさらに期待が高まっています。あなたも是非、羊文学の繊細で力強い音楽世界を体験してみてください。心に響く曲を発見できる事でしょう。
初心者におすすめの入門曲
-
「砂漠のきみへ」:羊文学の世界観を象徴する名曲
-
「more than words」:切なさの中に、自分を信じる大切さを伝える応援ソング
-
「光るとき」:美しいメロディと希望のメッセージが光る一曲
羊文学の音楽は、一度耳にすれば忘れられない独特の世界観と、心に響くメッセージで、きっとあなたの心も捉えて離さない事でしょう。
コメント