2026年1月22日に配信が始まったNetflix映画『超かぐや姫!』。そのエンディングテーマに、BUMP OF CHICKEN(以下、BOC)が2014年に発表した名曲「ray」が起用されたという報せは、音楽ファンとアニメファンの双方に大きな驚きをもたらしました。
この起用は、単なる既存曲のタイアップにとどまりません。「ray 超かぐや姫!Version」として、楽曲は大胆に新規アレンジが施され、さらに映画のメインキャラクターたちが歌唱するという、極めて異例の形式が取られています。リリースから10年以上を経たこの楽曲が、なぜ2026年の最新アニメーション映画の主題歌として選ばれたのか?その背景には、「ray」が持つ文化的文脈、映画『超かぐや姫!』の制作意図、そして新たなアレンジを担当したTAKU INOUEさんの役割が深く関わっています。この奇跡的なコラボレーションが実現した理由を掘り下げていきます。
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『超かぐや姫!』が追求する音楽性:「ray」との異例のタッグ
映画『超かぐや姫!』は、ryoさん(supercell)やkzさん(livetune)をはじめとする、インターネット音楽シーンのレジェンドたちが参加したことで大きな注目を集めた”アニメ”です。そのエンディングテーマとして、BOCの「ray」が選ばれました。
ただし、使用されたのは原曲ではありません。新たに生まれ変わった「ray 超かぐや姫!Version」です。このバージョンは、数々のアーティストへの楽曲提供やゲーム音楽で知られるTAKU INOUEさんがサウンドアレンジを担当し、さらに映画のメインキャラクターである「かぐや」(CV: 夏吉ゆうこさん)と「月見ヤチヨ」(CV: 早見沙織さん)が歌唱するという、極めて特殊な形態を取っています。
メジャーシーンのトップランナーであるBOCの名曲を、別のアレンジャーが編曲し、別キャストが歌うという試みは、楽曲が持つテーマ性や文化的背景が、映画の世界観と深く共鳴していたからこそ実現したと思います。BOCの楽曲は、その普遍的なメッセージ性によって長年多くのファンに愛され続けています。もしBOCを初めて聴く方がいれば、彼らの名曲に触れてみることをおすすめします。BUMP OF CHICKEN 初心者がまず聴くべき名曲10選などで、その魅力を知ることができるはずです!
Netflixで世界独占配信中のオリジナルアニメーション映画『超かぐや姫!』のエンディングテーマ「ray 超かぐや姫!Version」のMusic Videoが公開されました。
— BUMP OF CHICKEN (@boc_official_) January 31, 2026
山下清悟監督がディレクションを担当した完全新作映像となります。
是非ご覧ください。https://t.co/26YhEy6W8w#超かぐや姫…
選定の決め手:「ray」が持つ、ボカロ文化とメジャーシーンを繋いだ歴史的意義
「ray」が『超かぐや姫!』のエンディングテーマに選ばれた最大の要因は、この楽曲が音楽史において築いた、特異な立ち位置にあると思います。
「ray」の革新性:初音ミクとのフィーチャリングが架けた橋
2014年にリリースされた「ray」は、BUMP OF CHICKENにとって極めて重要な意味を持つ楽曲です。彼らが初めて外部アーティストをフィーチャリングに迎えた作品であり、その相手がボーカロイドの初音ミクだったからです。
当時、BOCほどの規模を持つバンドが、楽曲制作にボーカロイドを本格的に採用することは非常に画期的な出来事でした。この試みは、インターネットで独自に発展してきたボカロ文化と、ロックを中心とするメジャー音楽シーンとの間に、強固な橋を架けた歴史的な瞬間として語り継がれています。
「ray」の歌詞は、光や希望をテーマにしながらも、現代の若者が抱える孤独や迷いに寄り添う普遍的なメッセージを持っています。そこに「光」を象徴する初音ミクを迎えることで、楽曲が持つ未来への開けたイメージをより強く印象づけました。
『超かぐや姫!』のコンセプトと「ray」の親和性
一方、『超かぐや姫!』の根幹は、インターネット発の音楽文化、特にボカロシーンに深く根ざしています。ryoさんやkzさんといった、ボカロ文化を築き上げたパイオニアたちが音楽面を支えていることからも、そのコンセプトの徹底ぶりがうかがえます。
ボカロ文化を核とするこの映画と、メジャーシーンにボカロの存在を決定的に知らしめたBOCの「ray」の文脈は、非常に高い親和性で結ばれています。
アレンジャーのTAKU INOUEさんは、「ray」の編曲は困難を極めたとしながらも、「超かぐや姫!」の物語を通じて、初めて「ray」を聴いた時の感動を再現したいという強い思いで挑戦したことを明かしています。この発言からも、今回の企画が単なる楽曲利用ではなく、「ray」が持つ歴史的背景を深く理解し、尊重した上での起用であったことが裏付けられます。
— 『超かぐや姫!』公式@Netflix映画 (@Cho_KaguyaHime) January 22, 2026
新たな息吹を吹き込む:TAKU INOUEさんによる現代的なサウンドアレンジ
「ray 超かぐや姫!Version」の成功は、アレンジャーであるTAKU INOUEさんの手腕によるところが大きいです。アイドルマスターシリーズや様々なアーティストとのコラボレーションを通じて、デジタリックでありながらエモーショナルなサウンドメイクを得意としています。
彼のアレンジにより、「ray」は原曲のロックサウンドの骨格を保ちながらも、映画の世界観に合わせてシンセサイザー色が強調され、疾走感あふれるサウンドへと進化しました。
BUMP OF CHICKENのメンバーも、この新しいバージョンを歓迎しており、公式コメントで「TAKU INOUEさんのアレンジと、かぐやとヤチヨのパフォーマンスにより、僕らも見た事のなかった新たな魅力を引き出していただきました」と述べています。
これは、オリジナル楽曲の制作者が、別のアレンジと歌唱による二次創作的な表現を心から認め、その可能性を評価したことを示しています。原曲のメロディと歌詞が持つ普遍的な力強さが、TAKU INOUEさんの現代的な解釈と、キャラクターの声(かぐや:夏吉ゆうこさん、月見ヤチヨ:早見沙織さん)の表現力によって、新しい感動を生み出しているのです。
特に、キャラクター自身が歌唱するという形式は、映画体験において重要な役割を果たします。物語の結末を飾るエンディングテーマとして、登場人物たちが自らの物語を代弁するかのように歌い上げることで、観客の物語への没入感を一層深める効果があると考えられます。
時代を超える名曲の再定義:BOCのレガシー強化
今回の「ray 超かぐや姫!Version」の起用は、BOCの楽曲が、特定の時代のヒット曲として消費されるだけでなく、時代やメディアを超えて再解釈され得る普遍的な力を持っていることを証明しました。
BUMP OF CHICKENは、2025年12月10日にTVアニメ『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』エンディングテーマの新曲「I」をシングルとしてリリースするなど、今もなお第一線で精力的に活動を続けています。
彼らの現役の活動と並行して、過去の名曲が、現代のアニメーション技術や、インターネットカルチャーの最前線で活躍するクリエイターたちの手によって再定義されることは、バンドの築いてきたレガシーをさらに強固なものにすると思います。
このコラボレーションの成功を受け、「ray 超かぐや姫!Version」の公式ミュージックビデオも、映画本編の後日談を描く形で、山下清悟監督自らのディレクション・編集により2026年1月31日に公開されました。楽曲はすでに配信がスタートしており、映画の世界観と深く結びついた音楽体験が多くのファンに届けられています。
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まとめ
BUMP OF CHICKENの「ray」がアニメーション映画『超かぐや姫!』のエンディングテーマに起用された背景には、以下の三つの要素が複雑に絡み合っていると考えられます。
- 「ray」が持つ歴史的意義:初音ミクとのフィーチャリングを通じて、ボカロ文化とメジャーシーンの橋渡し役を担った楽曲であること。
- 映画のコンセプトとの高い親和性:『超かぐや姫!』がボカロPを核とするインターネット音楽文化をテーマとしていること。
- TAKU INOUEさんによる現代的な昇華:原曲の感動を尊重しつつ、映画の世界観に合わせた最適なサウンドアレンジが施されたこと。
BOCの名曲が、新しい解釈を得て時代を超えて愛され続ける事実は、彼らが日本の音楽シーンに残した影響の深さを改めて示しています。この異色のコラボレーションは、過去の作品が持つ無限の可能性を、未来に向けて提示する素晴らしい事例だと言えると思います。

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